非慣性系のスピン輸送理論
- 日時
- 2018年11月15日(木)13:00 - 18:00 (JST)
- 講演者
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- 松尾 衛 (University of Chinese Academy of Sciences, China)
- 言語
- 日本語
非慣性系におけるスピン流生成の微視的計算の概略を把握していただくことを目標に,以下3項目を扱う.
- スピン接続と回転系のDirac方程式 非慣性系の一種である回転系のスピンダイナミクスを調べるために,一般共変Dirac方程式の低エネルギー展開から,スピン・回転結合とよばれる相互作用が誘起されることを示す.
- 非平衡グリーン関数法と非磁性金属/磁性体界面のスピン輸送 非慣性系のスピン輸送の準備として,非平衡グリーン関数法によるスピン輸送の基礎事項を扱う.特に,非磁性金属/磁性体界面におけるスピン輸送の微視的計算を行い,スピンポンピング,スピンゼーベック効果,スピンペルチェ効果と呼ばれる接合界面のスピン流生成現象を簡潔かつ統一的に理解する.
- バルク金属の渦度分布中のスピン輸送 バルク金属の弾性変形運動および液体金属流体運動によるスピン流生成の計算の概略を示す.
参考文献:
- 松尾・齊藤・前川:「非慣性系のスピントロニクス」,物理学会誌,2017年9月号解説
- M.Matsuo, E.Saitoh, S.Maekawa: “Spin-mechatronics”, JPSJ 86, 011011 (2017)