日時
2019年10月21日(月)15:30 - 23日(水)14:30 (JST)
講演者
言語
日本語

Oct.21 15:30-16:30, 16:40-17:40, Okochi Hall
Oct.22 13:30-14:30, room #435-437, Main Research Building
Oct.23 13:30-14:30, room #435-437, Main Research Building

平均次元と呼ばれる力学系の位相不変量と情報理論との関係について説明します。

平均次元は力学系が単位時間あたりに持つ自由度を表します。この量が次の二つの点で情報理論と関係します:

  1. 平均次元と通信:シャノンによる記念すべき結果の一つは、帯域制限された通信(例えば電話)における送信可能な情報量の計算でした。この理論の「位相力学系版」とよぶべきものが「力学系をヒルベルト立方体に埋め込む問題」という抽象的な数学の問題に関わって現れます。そして平均次元は、この研究において鍵となるパラメータになります。
  2. 平均次元と情報圧縮:シャノンエントロピーは情報の損失がない情報圧縮における圧縮の限界値です。しかし、現実のシグナル(音声や画像)の多くは連続的に変化する値をとるため、エントロピーは無限大になります。したがって、意味のある圧縮をするためには情報の損失を許す必要があります。
    このような「情報の損失を許した情報圧縮」を研究するのがレート歪み理論です。このレート歪み理論に、あるミニマックス原理を適用すると、不思議なことに平均次元が出てくることを説明します。

21日は上の二つのテーマについておおよその概要を述べます。22日と23日は(1)と(2)についてより詳しい話をしたいと思っています。

現在の予定では22日に(1)について詳しく議論し、23日に(2)について詳しく議論したいと思っていますが、参加者の希望に応じて予定変更することも可能です。

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