数理の窓から世界を読みとく
2021-12-21
書籍
宮﨑弘安/田中章詞/入谷亮介/廣島渚 [著]
初田哲男 /柴藤亮介 [編]
発売日: 2021年11月19日
素数・AI・生物・宇宙をつなぐ
数学を使ってさまざまな研究テーマに挑む若手研究者たちが、瑞々しい感性で研究や自らの進路選択を語る。
内容紹介
AI(人工知能)、生物の進化、宇宙に存在する暗黒物質--これらまったく異なる研究分野を、同じ窓から読み解く方法があります。数学を共通言語にさまざまな事象を理論的に解明する方法、数理です。数理の窓から見えるそれぞれの世界を、自らの進路選択や研究の魅力を交えながら、若手研究者たちが瑞々しい感性で紹介します。
主要目次
- まえがき(柴藤亮介)
- 序章 数理の窓から世界を眺める(初田哲男)
- 第1章 「数のふしぎ」のその先へ(宮﨑弘安)
- 数のふしぎをみる実験/数の原子、「素数」/フェルマーの小定理/素数は全部でいくつある?/北極星を追って/無秩序の中にひそむ秩序/フェルマーの挑戦状/数の夜空を彩る星座―素元星座定理/無数に広がる数の世界/数の「かたち」をめぐる旅―数論幾何学/地球とドーナツはどう違う?/曲線なのか面なのか/ドーナツの穴から解をのぞく/ドーナツの上には何が住む?/整数たちの「安住の地」―数論幾何学/数学禅問答―空間が先か、関数が先か/数のふしぎのその先へ
- 第2章 人工知能に絵を描かせる方法(田中章詞)
- まずはじめに
- 人工知能とは何か
- SF的人工知能の難しさ/人工知能の実際/例迷路を解くプログラム/機械に学習させる/機械学習で絵を描かせる:生成モデル
生成モデルを作るとなぜ嬉しいか?
いろいろな翻訳が可能になる/データを「増やす」ことができる/環境の動きを予想させることができる
- SF的人工知能の難しさ/人工知能の実際/例迷路を解くプログラム/機械に学習させる/機械学習で絵を描かせる:生成モデル
- 具体的な生成モデル
- 物理学を用いたモデル、ボルツマン機械/深層学習/敵対的生成ネットワーク
- 条件付きの生成モデル
- 条件磁場付きのボルツマン機械/条件付きの敵対的生成ネットワーク/絵から別の絵への変換/教師不要の衝撃
- 機械学習のこれから
- 少数データをどう取り扱うか/解釈可能性/知能について、再び
- 第3章 数理で読みとく生物進化(入谷亮介)
- 生物の多様性に法則はあるか?/氏か育ちか/カエルの子はカエル、ダックスフンドの子はダックスフンド/みんな同じ?/突然変異で違いが生じる/偶然から必然へ/適応進化の法則と自然淘汰/生物はみな、うまくできている/研究者の仕事と、研究者になるまでの道のり/身近な「進化」/生物のデザインを実装する「バイオミミクリー」/適応進化をいかに数式で表すか/数理モデルって何だろう?/進化の数理の大胆さ/ゲーム理論の登場/生物の進化ゲーム/勝負の決着/進化の平衡状態とは?/進化ゲーム理論の具体例1男女比の進化/男女比の適応進化の数理モデル/突然変異が不利とは? 進化的安定性とは?/進化ゲーム理論の具体例2 移動分散の進化/ホーム市場アウェイ市場 どちらに投資?/高校数学を使った適応進化研究の魅力
- 【コラム】自然淘汰の「功罪」
- 第4章 暗黒物質の色は何色?―見えないモノを調べる方法(廣島渚)
- はじめに/見えないモノの存在/モノが見えるということ/暗黒物質の探し方―物理学者の挑戦/暗黒物質探査の今後―3つの戦略のシナジー/まとめにかえて
- 【コラム】 暗黒物質と暗黒エネルギー
- 【コラム】色々な候補
- あとがき(柴藤亮介)