寄生虫進化生態学
2022-02-02
書籍
Robert Poulin [著]
片平 浩孝/川西 亮太/入谷 亮介 [訳]
Translated from "Evolutionary Ecology of Parasites: Second Edition" ( Princeton University Press, 2007) by Robert Poulinを翻訳
内容紹介
寄生虫の生態学および進化学的に重要な研究例を体系的にまとめあげ,分野における研究レベルを押し上げた革新的な教科書“Evolutionary Ecology of Parasites(Second edition)”の待望の邦訳。原著出版から10年以上が経過した現在においても,本書は世界各国の専門家に影響を与え,研究の手引きとして,あるいは分野を俯瞰するためのスタンダードな情報源として利用され続けている。今やこれを読まずして寄生虫の進化生態学的研究は不可能と言っても過言ではない。
国内外問わずこれまで多くの教科書が寄生虫のネガティブな側面に目を向け,宿主に与える影響やその制圧・制御にページを割いてきたが,本書では寄生虫を生態系の一員として見つめ直し,一貫して生き物としての純粋な興味・関心について丁寧に説明を重ねている。本書を読むことにより,寄生現象を個体レベルから群集レベルに至るまで階層的に深く理解できる。終章においては将来的な気候変動や防除に対する示唆に富んだ応用的指針ももたらしている。本書が提示する課題は日本の関連分野においても挑むべき内容であり,将来的な発展に貢献するであろう。
目次
- 第一章 はじめに
- 第二章 寄生の起源と生活環の進化
- 第三章 宿主特異性
- 第四章 生活史戦略の進化
- 第五章 宿主利用戦略
- 第六章 寄生虫の分布様式:原因と結果
- 第七章 個体群動態と集団遺伝
- 第八章 種間関係と寄生虫のニッチ
- 第九章 宿主個体内群集の構造
- 第十章 宿主個体群内群集および寄生虫相
- 第十一章 総論