「量子もつれ」の構造の解明は、理論物理と量子情報の双方にとって中心的課題ですが、これまでの研究の多くは1+1次元に限定されています。量子もつれ構造の解析は1+1次元を超えると急激に難しくなり、高次元の量子もつれ構造に対する新しい解析手法が望まれていました。
九州大学 高等研究院の楠亀 裕哉 准教授(理化学研究所 数理創造研究センター 客員研究員を兼務)、カリフォルニア工科大学の大栗 博司教 授(東京大学 国際高等研究所 カブリ数物連携宇宙研究機構 教授を兼務)およびSridip Pal 研究員からなる共同研究グループは、近年素粒子論において高次元理論の解析を大きく前進させた「熱的有効理論」と呼ばれる手法に着目し、この手法を量子情報に導入することで、任意の次元の量子系における量子もつれの構造に潜む普遍的振る舞いを見出すことに成功しました。

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Reference

  1. Yuya Kusuki, Hirosi Ooguri, Sridip Pal, Universality of Rényi Entropy in Conformal Field Theory, Phys. Rev. Lett. 135, 061603 (2025), doi: 10.1103/fsg7-bs7q

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