量子観測に誘起されたスペクトル相転移の発見
2025-01-10
プレスリリース
理化学研究所(理研)開拓研究本部 濱崎非平衡量子統計力学理研白眉研究チームの濱崎 立資 理研白眉研究チームリーダー(理研 数理創造プログラム 上級研究員)、東京大学 大学院工学系研究科 物理工学専攻の望月 健 助教(理研 開拓研究本部 濱崎非平衡量子統計力学理研白眉研究チーム 客員研究員)の共同研究チームは、観測下の量子系におけるスペクトル相転移を発見しました。
本研究成果は、近年急速に研究が進んでいる「非平衡な量子系における観測誘起相転移」と、古くから精力的に研究されている「平衡状態にある量子系における相転移」を、同一の枠組みで統一的に理解することにつながると期待されます。
共同研究チームは、Lyapunov解析という手法を用いることで、観測下の量子系においてもスペクトル相転移が存在することを示しました。また、その臨界点が量子もつれ転移の臨界点と一致することを見いだしました。
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Reference
- Ken Mochizuki and Ryusuke Hamazaki, Measurement-Induced Spectral Transition, Phys. Rev. Lett. 134, 010410 (2025), doi: 10.1103/PhysRevLett.134.010410