量子測定が誘起するトポロジカル相のバルクエッジ対応
2025-06-23
プレスリリース
濱崎 立資 上級研究員を含む研究グループは、測定下の量子系の有効エネルギーの準位構造とバルクのトポロジカル不変量を調べる方法を提案し、その方法を実際に用いて量子測定によって誘起されるトポロジカル相転移の理論的解析を行いました。その結果、幻の粒子とも呼ばれる「マヨラナ粒子」に由来するゼロエネルギーエッジ状態が、測定下のトポロジカル相で出現することを発見しました。また本研究では、孤立量子系で普遍的に成立するトポロジカル相のバルクエッジ対応が測定下の量子系においても発現することを実証し、測定によって誘起されるトポロジカル相転移の強固な理論的基盤を与えました。本研究で用いた手法は広いクラスのトポロジカル相に対して用いることができる汎用性があり、測定によって誘起される量子相の体系的・統一的な理解につながると期待されます。
詳細は関連リンクをご覧下さい。
Reference
- Hisanori Oshima, Ken Mochizuki, Ryusuke Hamazaki, Yohei Fuji, Topology and Spectrum in Measurement-Induced Phase Transitions, Phys. Rev. Lett. 134, 240401 (2025), doi: 10.1103/PhysRevLett.134.240401