植物の行動生態学―感じて、伝えて、記憶し、応答する植物たち
種生物学会 [編]
入谷 亮介(iTHEMS研究員)も執筆。
新進気鋭の科学者たちが「植物はどのようにこの世界を認識しているのか?」「その時植物たちはどのようにふるまうのか?」といった植物の環境応答研究の最前線を初学者向けにまとめあげた渾身の一冊。
内容紹介
植物がどのような生きものなのか、本当にご存知だろうか?
一度芽生えたらその場所から動けない植物たち。じっと耐えているのかと思いきや、周りの環境に応じて芽生えのタイミングを調節したり、周囲の植物と情報をやり取りして協力していたり……。
近年、植物たちの知られざる一面が次々と明らかにされてきています。本書は、新進気鋭の科学者たちが「植物はどのようにこの世界を認識しているのか?」「その時植物たちはどのようにふるまうのか?」といった植物の環境応答研究の最前線を初学者向けにまとめあげた渾身の一冊です。科学者らが植物に抱いた素朴な疑問やそれを解き明かすための巧みな実験方法など、研究の様子が垣間見ることができるのも本書の特徴です。
これから研究を始めようとしている学生はもちろんのこと、植物に興味を持っている様々な人にぜひとも手に取っていただきたい一冊となりました。「探求」の課題や自由研究のヒントにも。
- 隣の個体と協力するか競争するか。その決め手は血縁度?
- つる植物は巻き付く相手を選んでいる!?
- 匂いは植物の共通言語?
- 植物の「目」と「脳」はどこにある?
- 植物体内の情報伝達のしくみは?
- 植物にも忘れられないことがある?
この本を読めばきっと植物を見る目が変わるはず!
目次
第1章 環境応答する種子:生物的環境に応じた可塑的な種子発芽
第2章 植物の血縁認識:多様な隣接植物に応じた柔軟な対応
第3章 植物の自他認識:自己への巻きつきを回避する“つる植物”
第4章 植物間コミュニケーション:植物の匂いを介した情報伝達
第5章 血縁淘汰概論:植物への応用
第6章 環境情報の受容と処理様式:植物の組織特異的な環境センシング
第7章 植物体内の情報伝達:長距離移動ペプチドを介した植物の変動窒素環境への適応
第8章 植物の記憶:誘導防御とプライミング