岡山大学学術研究院環境生命科学学域(工)の勝原光希助教(当時所属:神戸大学大学院人間発達環境学研究科)、東京都立大学大学院理学研究科の立木佑弥助教、理化学研究所数理創造プログラムの入谷亮介研究員(当時所属:University of California Berkeley, University of Exeter)、神戸大学大学院人間発達環境学研究科の丑丸敦史教授は、個体ベースモデルを用いたシミュレーションを行い、同じ種の送粉者を共有し競争関係にある植物2種において、個体数の少ない種でより高い自家受粉率が進化することで個体数が増加に転じる進化的救助が発生し、それによって2種の長期的な共存が促進されることを明らかにしました。

本結果は、複数の植物種が同所的に開花して共存できる理由にまったく新しい理論を加えると共に、植物で多様な繁殖戦略が進化してきた要因についても新たな視点を与えるものです。陸上生態系の根幹を支える植物の多様性の創出・維持メカニズムを理解することは、生物多様性の源泉の理解のみならず、生態系と調和した持続可能な社会形成を考える上でも不可欠であり、基礎・応用の両面において重要な知見であるといえます。

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Reference

  1. Koki R. Katsuhara, Yuuya Tachiki, Ryosuke Iritani, Atushi Ushimaru, The eco-evolutionary dynamics of prior selfing rates promote coexistence without niche partitioning under conditions of reproductive interference, Journal of Ecology 109, 11, 3916-3928 (2021), doi: 10.1111/1365-2745.13768

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