理化学研究所(理研)計算科学研究センター 量子系物質科学研究チームの白川 知功 上級研究員(量子計算シミュレーション技術開発ユニット 上級研究員、開拓研究所 柚木計算物性物理研究室 上級研究員、数理創造研究センター 量子数理科学チーム 上級研究員、量子コンピュータ研究センター 量子計算科学研究チーム 上級研究員)、柚木 清司 チームプリンシパル(開拓研究所 柚木計算物性物理研究室 主任研究員、創発物性科学研究センター 計算量子物性研究チーム チームディレクター、量子コンピュータ研究センター 量子計算科学研究チーム チームディレクター、最先端研究プラットフォーム連携(TRIP)事業本部統合データ・計算科学プログラム プロジェクトディレクター)らの国際共同研究グループは、IBMの量子コンピュータと理研のスーパーコンピュータ「富岳」を組み合わせた計算を通じて、従来の古典計算機では解析が困難だった量子化学の問題に対し、量子計算の実用化に向けた有効性を実証しました。
本研究では、量子コンピュータの実機から得られた出力をスーパーコンピュータで処理することで、50量子ビットを超える大規模な量子化学系において、初めて科学的に意味のある結果を得ることに成功しました。これにより、量子化学分野においても、古典計算の限界を超える規模の問題に対して量子計算が有効であることが示され、量子コンピューティングの実用化に向けた大きな前進となりました。

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Reference

  1. Javier Robledo-Moreno, et al., Chemistry beyond the scale of exact diagonalization on a quantum-centric supercomputer, SCIENCE ADVANCES Vol 11, Issue 25 (2025), doi: 10.1126/sciadv.adu9991

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