ワークショップ「開放量⼦系の数理による⽣物・認知・社会現象の理解」が2024年1月26日に開催されました
2024年1月26日(金)9:30 - 17:00に「開放量⼦系の数理による⽣物・認知・社会現象の理解」と題したワークショップをiTHEMS、RIKEN Quantum、JST-CREST「マルチセンシング」領域の共催により大河内記念ホール(及びZoomのハイブリッド形式)にて開催しました。
冒頭、JST-CREST「マルチセンシング」領域の研究総括である入來篤史氏(理研)から本ワークショップの趣旨説明が行われ、引き続き初田哲男氏(理研)からRIKEN Quantumで利用可能な各種量子コンピュータなどについての紹介がありました。その後、⻄郷甲矢人氏(⻑浜バイオ大)から「JST-CREST 課題を中⼼に Open Quantum System 全体の概観を解説」と題した講演があり、量⼦論的数理を⽤いた⼀般現象のモデリング・解釈の可能性と期待について討論が行われました。引き続き小澤正直氏(中部大)からは「⾮可換な順序効果の理論とブレークスルーにおける新しい数学理論」について講演があり、実験家と数学者との相補的共働のデザインと「新しい数学」の創造について討論が行われました。
昼休みを挟み、磯村拓哉氏(理研)から「ベイズ推論変分⾃由エネルギー原理における経路積分的⼿法」について講演があり、⽣物学・脳神経科学・認知科学と精神医学における量⼦論的解釈について討論が行われました。引き続き⽥中彰吾氏(東海大)からは「原⼦論的⼈間観から量⼦メタファーによる⼈間と社会の理解へ」と題した講演があり、⼈⽂社会科学における量⼦的現象と量⼦計算の社会実装の可能性について討論が行われました。最後には「⼈間現象」の進化/歴史の経路積分・量⼦論的解釈と”Quantum-Like Modeling”について総合討論が行われました。
現地及びオンライン合わせて約70名の参加者があり、人文社会科学分野における諸現象の量子論的解釈や量子計算の可能性について意欲的な討論が行われました。