理化学研究所(理研)仁科加速器科学研究センターストレンジネス核物理研究室の肥山詠美子室長(九州大学大学院理学研究院教授)、量子ハドロン物理学研究室の土井琢身専任研究員、理研数理創造プログラムの初田哲男プログラムディレクター、京都大学基礎物理学研究所の佐々木健志特任助教らの国際共同研究グループは、グザイ粒子1個と核子3個からなる新たなハイパー原子核(ハイパー核)「グザイ・テトラバリオン」の存在を理論的に予言しました。

本研究成果は、どのようなハイパー核が存在しうるのかという物理学の根源的問題の解明につながるとともに、中性子星内部のような超高密度極限状態における物質構造の解明に貢献すると期待できます。通常の原子核は核子というバリオンから構成されていますが、グザイ(Ξ)粒子と核子からなるハイパー核については、どのような種類のものが存在するかほとんど分かっていませんでした。今回、国際共同研究グループは、クォークの基礎理論「量子色力学(QCD)」に基づき、グザイ粒子と核子の間に働く力をスーパーコンピュータ「京」などを用いて明らかにしました。さらに、得られた力をもとに量子少数多体系の精密計算を行うことで、グザイ粒子1個と核子3個の計4個のバリオンからなる新たなハイパー核「グザイ・テトラバリオン」の存在を予言しました。

本研究は、科学雑誌『Physical Review Letters』の掲載に先立ち、オンライン版(3月4日付)に掲載されました。