菊池 勇太 客員研究員、早田 智也 客員研究員を含む共同研究グループは、周期駆動系を模した量子回路を用いることで量子情報が非局在化した状態(スクランブリング状態)を準備できることを、イオントラップ型量子コンピュータを用いて実証しました。

スクランブリング状態は、量子情報の復元や量子多体系計算に役立つことが期待される性質を持っています。本成果は、物理現象と量子情報が交錯する学術研究領域における黎明(れいめい)期の量子コンピュータ利用事例として、日本における量子コンピュータ利用の促進に貢献すると期待されます。

今回、共同研究グループは、これまでランダム性を持つ量子回路を用いて議論されることが一般的だったスクランブリング状態を、周期駆動系を模した量子回路を用いても準備できることを、高い忠実度で量子操作が可能な量子コンピュータの実機を用いて、適切なエラー緩和法と理論的考察の組み合わせにより確かめました。

詳細は、関連リンクより、プレスリリースをご覧下さい。

Reference

  1. Kazuhiro Seki, Yuta Kikuchi, Tomoya Hayata, and Seiji Yunoki, Simulating Floquet scrambling circuits on trapped-ion quantum computers, Phys. Rev. Research 7, 023032 (2025), doi: 10.1103/PhysRevResearch.7.023032 

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