データと数学で迫る冬眠の謎 -冬眠の仕組みの一端を数理モデルで解明-
2024-07-11
プレスリリース
冬眠中の小型哺乳類の体温は、環境温度近くまで低下しますが、この低温状態が冬眠中ずっと継続するわけではなく、環境温度に近い低温と通常の体温の間を何度も変動します。この大きな体温変動は冬眠の重要な部分なのですが、その生理学的な意味は十分に理解されていません。
儀保伸吾(iTHEMS特別研究員)と黒澤元(iTHEMS専任研究員)を含む国際共同研究グループは、高精度の実験データと数学を用いて、冬眠の仕組みの一端を解明しようとしました。そして、複数の種の冬眠中の実験データを再現する数理モデルを見つけました。本研究は、山口良文(北海道大学教授)、イリーナ・グラシェヴァ(エール大学教授)、スビアトスラフ・バクリアンツェフ(エール大学教授)、徳田功(立命館大学教授)との共同研究です。論文は、Nature Portfolioが新しく発行する雑誌「npj Biological Timing and Sleep」オンライン版に掲載されました。
詳細は、関連リンクからプレスリリース記事をご覧ください。
Reference
- Shingo Gibo, Yoshifumi Yamaguchi, Elena O. Gracheva, Sviatoslav N. Bagriantsev, Isao T. Tokuda, Gen Kurosawa, Frequency-modulated timer regulates torpor–arousal cycles during hibernation in distinct small mammalian hibernators, npj Biological Timing and Sleep 1, 3 (2024), doi: 10.1038/s44323-024-00002-4