理化学研究所数理創造研究センター(iTHEMS)の村瀬洋介チームディレクターを含む国際共同研究チームは、評判に基づく協力行動の進化を可能にする新たな仕組みを理論的に明らかにしました。

人間社会では、他者の評判をもとに協力するかどうかを判断する「間接互恵性」が、協力関係を支える重要な仕組みの一つと考えられています。一方、同じ人に対する評価が人によって異なる場合、社会の中で協力を維持することが難しくなることが、これまでの研究で課題となっていました。

本研究では、従来のように「その人が他者に協力したか」だけでなく、「その人が他者から協力されたか」についても評判に反映する「二重評判更新」という仕組みを導入しました。その結果、この単純な拡張によって人々の評価の食い違いが抑えられ、協力が大幅に維持されやすくなることを、数理解析とコンピュータシミュレーションによって明らかにしました。

本成果は、評判を通じて協力が生まれ、維持される仕組みへの理解を深めるとともに、同調、協力、排斥など、実社会における集団行動を理解する新たな手がかりとなることが期待されます。

研究成果は、2026年8月28日に国際学術誌 Proceedings of the National Academy of Sciences (PNAS) に掲載予定です。

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