理化学研究所数理創造研究センター (iTHEMS) | iTHEMS

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超小型衛星 NinjaSatが異常に短いX線バースト周期を発見

土肥明基礎科学特別研究員を含む国際共同研究グループは、理研が主導するキューブサットX線衛星「NinjaSat（ニンジャサット）」を用いて、X線バーストを決まった時間間隔で起こすX線連星系（クロックバースター）を観測し、この天体の観測史上最も短い1.6時間のバースト繰り返し時間(再帰時間)を発見しました。詳細は関連リンクをご覧下さい。

2025-11-06
白色矮星の“潮汐加熱”が明らかに

京都大学白眉センター特定助教／iTHEMS 客員研究員の Lucy Olivia McNeill さんを中心とする研究チームは、短周期連星系にある白色矮星（星の燃焼を終えた超高密度天体）が、強い潮汐力によって理論予測よりも高温・膨張していることを明らかにしました。この「潮汐加熱」により、白色矮星は通常の約2倍に膨らみ、表面温度が1〜3万Kに達することが示されました。その結果、質量移転が始まる軌道周期は従来の予想よりも最大3倍長くなる可能性があるとされています。本研究は、白色矮星の進化やIa型超新星の起源理解の深化に寄与する成果として注目されています。詳細は、関連リンクより京都大学のプレスリリースページをご覧ください。

2025-10-22
小澤知己客員研究員が「第15回フロンティアサロン永瀬賞特別賞」を受賞

東北大学材料科学高等研究所（WPI-AIMR）の小澤知己教授（iTHEMS客員研究員）が、一般財団法人フロンティアサロン財団より「第15回フロンティアサロン永瀬賞特別賞」を受賞しました。この賞は、将来のノーベル賞候補とも期待される若手研究者を顕彰し、未来を拓く科学技術分野での顕著な成果をたたえるものです。小澤教授は、物質の性質やその振る舞いを理解する「物性物理学」分野で国際的に活躍する理論物理学者です。トポロジー（位相幾何学）という“形”に注目する数学的な考え方を応用し、金属や気体、光、音波、さらには生体構造など、さまざまな物理系に共通する法則を見出してきました。最近では、高次元トポロジーの理論的拡張を通じて光や電子の新しい量子状態の研究を進めており、これらの成果は量子コンピュータや次世代光デバイスなどへの応用が期待されています。受賞を記念して、2025年9月26日には全国の高校生を対象とした「サイエンスセミナー」にて「トポロジーが拓く物理の地平～物質と次元を超えて～」と題した特別講義を行いました。講演では、トポロジーがもたらす“形の物理学”の魅力を紹介し、次世代を担う若い世代に科学の面白さを伝えました。

2025-10-21
AI分野における世界最高峰の国際会議「NeurIPS 2025」で論文採択

立教大学・増村翔氏と瀧雅人准教授（iTHEMS客員研究員）の論文が、機械学習分野の国際会議NeurIPS 2025に採択されました。本研究では、連想記憶モデルの原理をTransformerに組み込むことで、学習過程で生じる「ランク崩壊」と呼ばれる問題を理論的・実験的に抑制できる新しい構造を提案しました。追加パラメータを導入せずに性能を向上させることに成功しており、大規模言語モデルや画像生成AIのさらなる高性能化に貢献する可能性が期待されます。 NeurIPS 2025は2025年12月に米国サンディエゴで開催されます。詳細は関連リンクより立教大学のプレスリリースをご覧下さい。

2025-10-20
大手前高校が「マスツアー」で iTHEMS を訪問しました

2025年10月2日〜3日にかけて、大阪府立大手前高等学校の生徒が理化学研究所数理創造研究センター（iTHEMS）を訪問し、「マスツアー」研修プログラムが実施されました。生徒たちは iTHEMS の研究者による講義を通じて、数理科学の魅力と最先端の研究に触れました。田中章詞上級研究員による「機械学習入門」、入谷亮介上級研究員による「生物の増殖原理と進化ゲーム理論」、佐野岳人研究員による「球面と次元のはなし」といった多様な分野の講義が行われ、参加者は普段の授業では得られない刺激的な学びを体験しました。生徒からは「進路を考える上で大変参考になった」「数学の新しい面白さを知った」といった感想が寄せられました。今回の訪問を通じて、数理科学への理解と関心を深める貴重な機会を提供することができました。

2025-10-16
RIKEN Research: Looking at black-hole oscillations through a mathematical lens

By applying a versatile mathematical technique to black holes, RIKEN cosmologists have uncovered new subtleties about how they vibrate. Black holes are some of the most intriguing objects in the Universe. Their gravitational pull is so strong that not even light can escape from their surfaces. Astronomers can only observe light produced indirectly by material falling into black holes. Since 2016, they have had another means of investigating black holes—gravitational waves. These are ripples created in the fabric of space–time through cataclysmic events such as the merger of two black holes. Immediately after merging, special oscillations known as quasi-normal modes are set up in the resulting black hole. “Quasi-normal modes are frequency modes that are generated when a black hole experiences some major disturbance,” explains Ryo Namba of the RIKEN Center for Interdisciplinary Theoretical and Mathematical Sciences. These vibrations emit gravitational waves after a merger. While the higher overtones of quasi-normal modes of such gravitational waves are too weak for today’s detectors, astrophysicists can study quasi-normal modes mathematically. To read more, please visit the related link.

2025-10-14
三好建正チームディレクターが国立コルドバ大学より「名誉招聘者（Visitante Distinguido）」の称号を授与

2025年9月4日、理化学研究所開拓研究本部 iTHEMSの三好建正チームディレクターが、アルゼンチンの国立コルドバ大学（Universidad Nacional de Córdoba）より「名誉招聘者（Visitante Distinguido）」の称号を授与されました。本表彰は、三好チームディレクターがこれまでに果たしてきた気候防災分野への顕著な貢献を高く評価したものです。三好チームは、国際科学技術協力プログラム（SATREPS）の研究課題「PREVENIR（気象災害に脆弱な人口密集地域のための数値天気予報と防災情報提供システムのプロジェクト）」を主導し、都市型洪水の早期警戒システムの開発を進めています。このプロジェクトでは、スーパーコンピュータ「京」や「富岳」で培われた最先端の数値シミュレーション技術やデータサイエンスを駆使し、アルゼンチンの大都市ブエノスアイレスおよびコルドバでの社会実装を目指しています。また、実践的な教育の場の提供を通じて、アルゼンチンをはじめとする国際的な協力体制の強化にも寄与しています。

2025-10-09
一家に1枚「世界とつながる“数理”」 —すべての人になかに“数理”はある

鮮やかな色合いが目を引く、文部科学省「一家に1枚世界とつながる”数理”」のポスター。その制作チームのメンバーである理化学研究所数理創造プログラム（iTHEMS）コーディネーター兼プログラムディレクター室室長の永井智哉さんとプランナー・科学コミュニケーターの島田卓也さんにお話をうかがいました。記事全文は関連リンクからご覧ください。

2025-10-08
Farewell message from Tomoya Naito

Our colleague, Tomoya Naito, has left iTHEMS at the end of September 2025 to join the Department of Nuclear Engineering and Management, Graduate School of Engineering, The University of Tokyo as a Project Assistant Professor. We are grateful for his many contributions during his time with us and wish him every success in his new position. Here is a message from Tomoya: <i>I first joined the Quantum Hadron Physics Laboratory (Hatsuda Lab.) at the Nishina Center in June 2017 as a student trainee, and from that time I also began attending iTHEMS activities. In April 2022, I officially became a member of iTHEMS as an SPDR, and from April to September 2025 I was a JSPS PD. During these three and a half years (or unofficially, more than eight years!), I really enjoyed being a member of iTHEMS. Although I was often away on business trips in the last two and a half years, I have always appreciated the activities of iTHEMS.</i> <i>My research is on low-energy nuclear physics and quantum many-body problems using density functional theory. Only a few people in iTHEMS are working in this field, but I had many opportunities to learn about other areas such as physics, mathematics, mathematical biology, and machine learning. These experiences gave me new knowledge and even led to new research topics. In particular, during the pandemic, I was not officially a member of iTHEMS, but I still joined many activities and had many discussions with iTHEMS colleagues. These experiences strongly influenced my current research direction. From this April, iTHEMS has been expanding and the atmosphere is also changing. It was a great honor to be a member during such an important period.</i> <i>In October 2025, I moved to the Graduate School of Engineering, the University of Tokyo, as a Project Assistant Professor. Since RIKEN is still geographically close, I would like to continue joining iTHEMS activities, and I look forward to further interactions with everyone.</i> <i>Finally, I would like to express my sincere appreciation to all the researchers and assistants of iTHEMS for their kind support.</i>

2025-10-01
三好建正チームディレクターがコルドバ市議会より「Guest of Honor」の称号を授与

2025年9月11日、予測科学研究チーム三好建正チームディレクターは、これまでの気候災害の予防と早期警戒システム開発への顕著な貢献を評価され、コルドバ市議会からGuest of Honor(Honorary Guest of Cordoba City)として表彰されました。三好チームはコルドバにてSATREPSプロジェクト「PREVENIR」を主導しており、都市型洪水に対する早期警戒システムの開発を推進しています。本プロジェクトは、応用科学の実践的な教育の場を提供するとともに、アルゼンチンを主とした国際的な協力体制の強化にも寄与しています。

2025-09-26

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数理創造研究センター（RIKEN Center for Interdisciplinary Theoretical and Mathematical Sciences, 略称 iTHEMS アイテムズ）は、理論科学・数学・計算科学の研究者が分野の枠を越えて基礎研究を推進する、国際研究拠点です。2025年4月1日にプログラムからセンターへと組織改編されました。iTHEMSでは、「数理」を軸とする分野横断的手法により、宇宙・物質・生命の解明や、社会における基本問題の解決を目指しています。

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センター長: 磯暁

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